【HAPPY DAYS -365-】




「いらっしゃいませー!!」

カランカラン・・・と、お店の扉が開く度に笑顔で声をかける私。

お客様を席に案内し注文を聞く。

小さな喫茶店でバイトをしている私。

カランカラン・・・

「いらっしゃいま・・・・・・」

あっ・・・今日も来てくれた。

急に心拍数が上がる。

ドキドキドキドキ・・・・・・・・

「こちらへ、どうぞ」

メニューを持つ手が微かに震える。

席まで案内すると

「ありがとう」

と、必ず言ってくれる。

あの笑顔に何度ときめいただろう。

私も軽く会釈し注文を聞く。

あの人の注文はいつもアイスコーヒー。

夏はもちろん、冬でも・・・。

寒くないのかな?

なんて思いながらカウンターのマスターに注文を伝える。





私が密かに恋焦がれている、あの人は・・・

数ヶ月前からこのお店に来るようになり、それからは毎日来てくれている。

大半が一人なのだけど、たまにお友達・・・なのかな?金髪の小柄な男性とか黒髪で長身のモデルのような男性と一緒に来る事もあった。

サラサラの赤い髪が素敵で時折見せる爽やかな笑顔に私はいつのまにか心を奪われていた。

あの人が来てくれるようになってからは毎日が楽しくて、それだけで心躍らせている私。

あの人の姿が視界に入るだけで顔が熱くなるのが分かる。





ちゃん!何ボーッとしてんの?早く持って行ってあげなよ!」

マスターに声をかけられ我に返る。

「すすす・・・すいません!!」

「ほら!早く!!」

そう言って意味深な笑みをこぼすマスター。

「やめて下さいよ〜・・・」

私はマスターに照れ笑いを返す。



「お待たせしました」

私が彼の前にアイスコーヒーを置くと

「なー・・・自分・・・」

初めて私に声をかけてくれた!!

「ははははい!?」

「ハハッ!声裏返ってるやん!おもろいな〜!!」

うわー!!!その笑顔で私を見るのやめてーー!!

直視出来なくなるよ〜・・・。

「自分、いつも元気やよな?」

「えっ?」

「ここに初めて来た時から思っててん。元気で可愛い子がおるな〜・・・って」

元気で・・・・可愛い!?

だ・・・誰が??

ヒィィィィーー!!!!!

だから、その笑顔ダメだってばー!!!

やばい!!顔が熱くなってきた・・・。

「え・・・いや・・・・・・そんな・・・・・・」

どんどん熱さが増す・・・その上、心臓はバクバクいってるし!!

「よく、俺の事見てない?」

ハッ!!!!!

バ・・・バレてる!?

「あ・・・・いえ・・・・・あの・・・・・あっ!!」

「あっ!?」

急に素っ頓狂な声を出した私に不思議そうな顔をする彼。

「あの・・・冬なのにアイスコーヒーって寒くないのかな?・・・って、ずっと思ってました!!」

私の発言に彼は・・・大笑い!!!

「ほんま、おもろいな〜!!自分!!」

ケラケラ笑いながら

「寒くないで!だって、ここに来たら自分の笑顔が俺を暖めてくれるもん!!」

なっ!?何をサラッと・・・この人は・・・!!!

「あ・・・はぁ・・・ありがとう御座います」

私は精一杯の笑顔で彼に言葉を返す。

「今日のコーヒーも美味しかったで!ほな!またな!!」

と、彼は爽やかな笑顔を残し店を出て行った。



ちゃん、やっと第一段階通過したね」

「マ、マスター・・・」

「良かったじゃない?彼から話しかけてくれて・・・ねっ?」

「でも、私・・・訳分かんない事言っちゃって笑われたし・・・」

「大丈夫だよ!こっちから見ててもイイ感じだったし!」

「本当ですか!?」

「ほんと!ほんと!!」

なんて話してると・・・

カランカラン・・・

お客さんだ!

「いらっしゃいませ〜!!」

私が入り口へ小走りして行くと・・・

以前、彼と一緒に来ていた金髪さんとモデルさんだった!!

「あっ!こ・・・こちらへどうぞ」

席に案内し注文を聞き、目も合わせられなくて、そそくさとカウンターへ・・・。

そして注文の品が出来るまでボーッと立ってると・・・チラチラ見られてるような気が・・・。

何気なさを装い私も、あの二人の席をチラッと見た。

するとバッチリ!!金髪さんと目が合い・・・ニヤッと笑うじゃないですか〜!!!

な・・・何??

なんで笑われるの??

なんて思ってると

「出来たよ。ちゃん!持ってって!」

マスター・・・今の私に持ってけと言うのですか??あのテーブルに・・・?

泣きそうな顔でマスターを見ると「うんうん」と満足そうにうなづいている・・・嗚呼・・・伝わってない!

仕方なく私は一番近付きたくないテーブルへ・・・

「お・・・お待たせしました・・・」

自分の手だけを見、注文の品をテーブルに置く。

すると突然・・・

「な〜、自分・・・堕威くんの事好きやろ?」

金髪さん!!!

って、『堕威くん』???

「あの・・・堕威くんって・・・誰ですか?」

私が聞くと

「えっ?まだ名前も知らなかったの?」

と、モデルさん。

堕威くん?堕威くん・・・。

ハッ!!もしかして!!!

「赤髪でサラサラヘアーの彼の事ですか!?」

「ギャハハ!!『赤髪でサラサラヘアーの彼』!!堕威くんらしくねぇ〜!!!」

爆笑し出すモデルさん。

それに引き換え、まだニヤニヤと私を見てる金髪さん・・・。

「あの・・・私の顔に何かついてます?」

思い切って金髪さんに聞いてみた。

「いや・・・何も・・・」

そ、それだけ!?

ってか、さっきオカシナ事言ってましたよね?金髪さん・・・。

「あの・・・金髪さん・・・」

「き、金髪さん!?ギャハハハハ!!!」

また・・・モデルさん笑いすぎ・・・だって名前分からないんだから仕方ないじゃない!!

「さっき、オカシナ事言ってましたよね?」

私が聞くと

「オカシナ事?」

「そうです!!私が・・・・その・・・・堕・・・・」

一番大事な事を聞こうと思った瞬間!!

カランカラン!!!

と、扉が開き・・・

「京くん!!敏弥!!」

あっ!赤髪でサラサラヘアーの・・・堕威さん!!!

「何してんねん!!勝手に・・・」

そう言いながら私と目が合った堕威さん。

「ごめんな・・・変な事されへんかった?」

「変な事って!堕威くん!!それはあんまりじゃん!!」

敏弥と言われたモデルさんが頬を膨らませる。

「いえ・・・何も・・・」

また顔が熱くなり俯きながら答える。

「良かった!邪魔したな!!・・・ほら!行くで!!」

と、堕威さんは金髪京さんとモデル敏弥さんの背中を押し出て行く。

その時、すかさず京さんが私の手に小さな紙切れを握らせた。



それから少し忙しくなり閉店時間を迎えた。

お店を片付け裏口から出て駐輪場に行くと・・・私の自転車の側に人影が・・・!!

恐る恐る近付くと・・・

「京さん・・・」

思わず声に出していた。

「さっきの紙・・・見た?」

あっ!忙しくて、そのままポケットに入れたままだった・・・。

「すいません・・・まだ・・・」

「ほな、今見て」

「はいっ!!」

と、ポケットから出して紙を広げると・・・あんまり綺麗とは言えない字(失礼)で『12月20日』と、だけ書かれていた。

「なんですか?この日付?」

「堕威くんの誕生日や」

「堕威さんの?って、明後日じゃないですか!?」

「そう・・・で、さっき聞きそびれた質問!自分、堕威くんの事・・・」

「あっ・・・・・・・す・・・好き・・・ですよ・・・」

「やっぱりな。こないだ俺が堕威くんと二人でこの店来た時、自分・・・堕威くんの事ばっか見てたやろ?」

「えっ・・・そんなに見てましたか?」

「見すぎってぐらい見てたで」

あぁ〜・・・自己嫌悪・・・。

「分かり易いな・・・自分・・・」

「あ・・・あの・・・その『自分』ってのやめてもらえませんか?」

「けど俺、自分の名前知らんもん」

「・・・です」

か・・・ほな、!」

「はいっ!」

って、いきなり呼び捨て?

「堕威くんには気持ち伝えたんか?」

「えっ!?いや、そんな事・・・今日、初めて話しかけられたんで・・・」

「はぁ?そうやったん?」

「そうですよ?」

「なぁんや・・・ほな、堕威くんの誕生日がえぇチャンスやんけ!!」

「チャンス!?」

「うん」

「でも、堕威さん彼女とかいるでしょ?」

「彼女はおらん!!・・・とにかく後は自分で考えろ!これ以上、俺が立ち入ってもしゃあないしな。自分に素直になった方が楽やで!ほな!」

そう言い笑顔を見せた京さん。

京さんの笑顔・・・初めて見た・・・。

なんて思ってると既に歩き出していた京さん。

「あ・・・ありがとう御座います!!」

私は京さんの背中に向かって頭を下げた。

京さんは振り返る事はなかったけど手だけヒラヒラと振って角を曲がって行った。





家に着いた私は今日の出来事を思い出していた。

堕威さんが話しかけてくれたのは、びっくりしたけど嬉しかった。

京さんと敏弥さんのおかげで堕威さんの名前も分かったし!

京さんには堕威さんの誕生日まで教えてもらって・・・そうだ!!なんで京さんは私を待ってて、その上チャンスとか言ってくれたんだろう?

とにかく京さんには感謝しなきゃいけないよね!

そして・・・明後日!!

堕威さんの誕生日・・・どうすればいいだろう?

当日も私はバイトだし。



そうだ!!いい事思いついた!!

でも、これ・・・堕威さんが来てくれないと意味がないなぁ・・・。

とにかく明日も来てくれると思うし、その時何気なく聞いてみるか!!














翌日・・・(堕威さん誕生日前日)

いつもの様にバイトに出掛ける。

朝から変にテンションの上がっている自分に「落ち着け!」と言い聞かせてみたり。

前日から緊張してどうすんのよ!!

私の気分とは逆に、お店はいつも通りの流れでまったりしてる。

しかし私は入り口の扉が開く度、いつも以上に敏感に反応してはマスターに笑われていた。

そして・・・

カランカラン・・・

勢いよく振り返る私。

来た!!!

堕威さん!!!

「いらっしゃいませ!!」

私が出迎えると少しはにかんだ笑顔で

「ども・・・」

と言ってくれた。

席に案内する間にも堕威さんは

「昨日は、ほんまに悪い事したなぁ・・・」

と申し訳なさそうな顔をする。

「とんでもない!気にしないで下さい!!京さんと敏弥さんのおかげで堕威さんの名前も分かったんだし!!それに・・・」

と、私は思わず堕威さんの誕生日の事まで言いそうになり慌てて口をおさえた。

「ん?」

と、堕威さんは不思議そうな顔をしていたけど、なんとか誤魔化して・・・堕威さんを座らせる。

「ご注文は・・・」

「「アイスコーヒー」」

二人同時に声が揃ったのがおかしくて、お互い吹き出す。

カウンターに行きマスターに注文を伝えると・・・

ちゃんが淹れてあげなよ」

マスター・・・

マスターの心遣いに感謝しながらアイスコーヒーをグラスに淹れ持って行く。

「お待たせしました」

言いながらテーブルにグラスを置くと・・・堕威さんと手が触れてしまった!!!

ひゃあーー!!!

慌てて手を離し気まずい雰囲気になる前に私から話しかけた。

「そ・・・そうそう!!堕威さんには良いお友達がいて羨ましいです」

「京くんと敏弥か?」

「そうです!」

「友達・・・とは、ちょっと違うかな・・・」

「えっ?じゃ、なんですか?」

「俺等バンドやってんねん・・・その仲間や」

「バンド!?そうだったんですか!!どうりで・・・」

私の目線が無意識に堕威さんの髪を見ていたのに気付き

「この髪か?こんなサラリーマンおったら嫌やろ?」

と、ケラケラ笑う堕威さん。

私もつられて笑う。

「そうや!俺、自分の名前聞いてへんかったな!」

あっ・・・そういえば・・・知ってるのは京さんだけだった。

「すいません!です」

改めて自己紹介するのは、なんか恥ずかしい・・・。

ちゃんか!俺は堕威や!って、知ってるわな!!とにかく、よろしゅうな!!」

と・・・私の頭をワシワシ撫でた!!!

キャーーー!!!!!嬉しいけど恥ずかしい!!!!!

「でな・・・明日やねんけど・・・」

急に真剣な眼差しで私を見つめる堕威さん。

あ・・・明日・・・

私もその言葉に過剰に反応してしまった。

「明日・・・ですか・・・?」

「うん。明日も・・・ここおる?」

「はい!!あ・・・え〜と・・・明日はマスターが午前中用事があるので、お店開けるのは午後からになるんですけど・・・」

「そうか!良かった!!ほな明日も来るから!!」

そう言い、いつのまにか飲み干していたアイスコーヒー。

「お待ちしております!!」

深々と頭を下げ堕威さんを見送る。



さて・・・明日は朝から忙しいぞ!!!!!














堕威さん誕生日当日。

私はいつもの時間に家を出る。

お店に着くと、もうマスターも到着していて私の顔を見るや笑顔で手招きしている。

シーンと静まり返った店内でマスターと私は・・・

本日のメインイベント、堕威さんのバースディケーキを作るのです!!

昨日、堕威さんに「マスターが用事でお店はお昼から」と言ったのは、この為。

早速、私はマスターにケーキ作りを手伝ってもらう・・・ってか、私が助手みたいな・・・。

だって、ケーキなんて作った事ないんだもん!!!

そんなこんなで、だいぶ形になってきたケーキ。

最後の仕上げ、チョコプレートに文字を入れるのは私の仕事。

『Happy Birthday だいさん』

と、デコペンで綺麗に書く・・・と、思うように手が動いてくれない・・・プルプルプルプル震えて・・・。

やっとの事で完成した堕威さんへのバースディケーキ。

ちょうどいい時間になり開店の準備をする。

後は今日の主役、堕威さんを待つのみ。

開店後も私はソワソワしっぱなし。

そして・・・

カランカラン・・・

堕威さんが現れた!!!

「いらっしゃいませ!!」

いつもよりも元気良く声をかける。

・・・でも心臓はドキドキ!!

今日は堕威さんの為に用意した特等席に案内する。

キョトンとした目でこっちを見る堕威さん。

キャー!!!

その目・・・可愛すぎるからやめて下さい!!!

心の中で叫び・・・

「ご注文は・・・」

と聞く。

「・・・いつもの」

答える堕威さん・・・

「この言葉、一回言うてみたかってん・・・」

照れ笑いしながら私を見る。

堕威さーーん!!!可愛い!!!!!

心の中の私は暴走しまくり!!!

そんな自分を悟られないように平静を装う。

「かしこまりました。少々お待ちを・・・」

そう言い残しカウンターへ・・・。



とうとう来た!!本番が!!!

深く深く深呼吸をし、マスターが出してくれたバースディケーキと“いつもの”アイスコーヒーを持って再び堕威さんのテーブルへ。

「お待たせしました」

テーブルにケーキとアイスコーヒー。

それを見た堕威さんは

「・・・このケーキ・・・なんで??」

目の前の光景を理解出来ないというような表情で私を見る。

「お誕生日おめでとう御座います!!」

「えっ・・・!?」

『なんで知ってんの?』と言わんばかりの表情。

「こないだ、京さんから聞いたんです」

私が口を開くと

「京くん・・・が・・・?」

「はい!それで、いつもお店に来てくれてる堕威さんに何かしたくて今日、朝からマスターと二人で作ったんです」

「・・・だから開店は午後からって・・・・・?」

「そういう事です!」

私が言うと、パァっと明るくなった堕威さんの表情。

「ありがとう!!ほんまに、ありがとう!!!」

すごく嬉しそうな堕威さんにつられて私も笑顔になる。

良かった!!こんなに喜んでくれるなんて思ってなかったから内心不安だったんだよね。

そして私が切り分けた一切れのケーキを、あっという間に食べてしまった堕威さん!!

「美味しかった!!ありがとうな!!」

そう言う堕威さんに

「ちょっと待ってて下さいね。残りのケーキ包みますので良かったら皆さんにも・・・」

と、ケーキを包んで堕威さんに持たせる。

「えぇの?・・・なんか悪いわぁ・・・」

と言う堕威さんに

「いいんです!京さんや敏弥さんにはお世話になったし、他のメンバーさんにも!!」

「そこまで気使わんでも・・・」

「堕威さんはそう言うけど私の気がすまないので」

「そうか・・・?ほな、頂くで?」

「どうぞ!!」

私は笑顔で答える。

「ほんっまに、ありがとう!!!」

と言い残し堕威さんはお店を後にした。



終わった・・・

私が大きく溜息をつくと

「お疲れ様!」

マスターが声をかけてくれた。

「ありがとう御座いました!!」

マスターに頭を下げると

「そんな気にしないで・・・・・で、あのメッセージカードは渡した?」

そう聞かれ

「えっ?」

聞き返すと

「見てたよ。こっそりカード書いてたとこ」

バ・・・バレてたんだ・・・。

苦笑いしながら

「一応・・・ね・・・ケーキの箱に添えたんですけど・・・気付いてくれたか・・な」

「気付いてくれるよ!!」

実際、気付いてくれない方がいい・・・

だって、その内容は・・・

『堕威さんへ

 お誕生日おめでとう御座います。

 突然ですけど・・・私、堕威さんの事好きです!!

 とにかく自分の気持ちだけは伝えたくて・・・でも口では言えないので、このカードに私の気持ちを全て込めました。

 私の気持ちに答えて!とは言いません。

 いつもの様にお店に来てくれるだけで嬉しいので・・・。

 では、明日もお待ちしております。

完璧ラブレターじゃん・・・

堕威さんが気付いてても気付いてなくても・・・もう顔を合わせる勇気がないよ・・・。



そしてお店も終わり、いつもの様に裏口から出ると・・・

ちゃん・・・」

「堕!堕威さん!!!」

なんで?なんで居るの??

私が慌ててると、堕威さんが口を開いた。

「カード・・・見た・・・・・・あの・・・」

「すいません!!!」

私は大きな声で堕威さんの言葉を遮った。

だって・・・続き聞きたくなかったんだもん。

私の言葉に一瞬ビックリした堕威さんが続ける。

「・・・なんで謝るん?謝るんはこっちやで・・・その・・・女の子から告白させてもうて・・・」

「えっ?」

堕威さんの言ってる意味が分からなくて堕威さんを見つめる。

「いや・・・だから・・・な・・?え・・・と・・・・・・・俺も今日、ちゃんと同じ事しようと思っててん!!!・・・・でも、先越された・・・」

何?何を言ってるの?

「・・・堕威・・・さ・・・ん?」

「俺もちゃんの事、好きやねん!!だから・・・ちゃんが店終わってから言おうと思ってて・・・」

「堕威さん・・・・・」

いつの間にか溢れ出していた涙が次々と零れ落ちる。

ちゃん!!好きや!!!」

私をきつく抱き締めた堕威さんに包まれ私ももう一度・・・

「堕威さん・・・好きです・・・」

そう言った。





































あれから一年。

愛しい彼・・・堕威は今、私の隣で気持ちよさそうに寝息を立てている。

サラサラの堕威の髪を優しく撫でると「ん・・・」と少し身をよじり静かにまぶたが開く。

「・・・おはよー・・・

「おはよー・・・堕威・・・」

私からキスをする。

それに答える様に優しく抱き締めてくれる堕威。

今日は私たちが出会って二回目の堕威の誕生日。

今回はマスター直伝のケーキを私一人で焼く。

堕威・・・喜んでくれたらいいな。






『これからも、ずっと一緒にいてね。

 愛しい愛しい私のダーリン・・・堕威へ。。』








追伸:京さん、敏弥くん・・・ありがとう。







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七「堕威さん、お誕生日おめでとうvvvvv」
堕「・・・・・・・・・・使い回しすんな」
七「えっ!?何の事!?(ヘラヘラ)」
堕「とぼけんな!!これ2004年の誕生日記念夢やんけ!!」
七「ぁ・・・バレた!?」
堕「バレるわ!!ちゃんと新作書き下ろせよ!!」
七「いやぁ・・・だって、この夢もUPせな勿体無いやん?」
堕「言い訳すんな!!引き篭もりが!!!」
七「Σ( ̄□ ̄;)」
京「ま、えぇやん!UPしてくれただけでもありがたいと思わな!」
堕「京くん!何で、七夜をかばうんや!えぇ人ぶりやがって!!」
京「ぶってるとは何や!!俺はいつでもえぇ人やんけ!!」
七「まぁまぁ・・・二人とも抑えて抑えて・・・」
堕・京「「お前が言うな!!!!」」










ってなわけで、この夢は2004年の堕威バに前サイトでUPしてた夢です。
また来年書く気があれば新作書きます(笑)

堕「書く気があれば!?絶対書け!!必ず書け!!!(怒)」
七「はいはい」
堕「っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!(激怒)」