【W SANTA.】









「見て!見て!皆!!向こうの衣装部屋にこんなんあってん!!持って帰ってえぇとまで言われたわ!!」





仕事の待ち時間、楽屋でくつろいでたら堕威くんが大声で皆を集める。

サンタのコスプレ衣装を手に大騒ぎしとる。

またか・・・いつもの事やと思って俺は広げてた雑誌に視線を戻す。





「おお!すっげーじゃん!!」

真っ先に反応したのは敏弥。相変わらずや。

「まぁ、今の時期やったら、あってもおかしないわな」

言いながら重い腰を上げる薫くん。

「って、それ女もんとちゃうんか?」

スカートの裾を持って興味津々に問い掛ける京くん。

「そう・・・女もん・・・って事はぁ??」

京くんの言葉の続きをまたまたデカい声で話し出す堕威くん。

ほんまうるさいわ・・・。





そこで会話が止まりシーンと静まり返る部屋・・・。

な・・・何や!?

すっごい視線感じるんやけど・・・。

恐る恐る皆を見てみると四人が俺の方を見てる。

そこで堕威くんの言葉の意味を察知した。


ヤバい!!!


慌てて雑誌を置き、部屋を出ようとしたら敏弥に入り口を塞がれた。

「どこ行くのかな?心夜くん?」

人を見下したような、いやらしい目で俺を見下ろす。

・・・・・・・・ムカつく。

と、後ろから羽交い締めにされた。



「何すんねや!?堕威くん!!・・・離せ!!」

必死で堕威くんの腕を振り払おうとするが無理な事で・・・。

「心夜く〜ん・・・これ着てみて〜や!」

耳元で囁かれた。

「嫌に決まってるやろ!?離せって!!!」

「お前、昔はこういうの好んで着てたやんけー!!」

「あれは衣装やろ!!これは・・・」

「これも衣装やん」

そう言うてニヤッと笑う堕威くん。





「ち・・・ちょっと待って!堕威くん!!マジで離して!!」

「何や!?着る決心ついたんか?」

まだニヤニヤしながらやけど・・・俺を解放してくれた。



「堕威くん・・・これ・・・持って帰ってえぇって言われたんやんな?」

「あぁ・・・言われたけど、それがどうしたん?」

「あの・・・・・・・・・・・・・・・・・俺にくれへん?」

「おっ!?とうとう着る気になったか?」

「・・・・・・・・」

「何黙っとん?早よ、着替え〜や」



「・・・今日やなくてもえぇ・・・かな?」

「何や!?急に改まって?」

「いや・・・ちょっと試したい事あるから・・・持って帰ってえぇ?」

「試したい事!?言うてみ〜や」

「あ・・・ここではちょっと・・・試してみて結果良かったら報告するから!!なっ!?」

「えらい必死やな?お前?・・・・・・・まぁ、えぇわ!ほな、お前が持って帰れよ」

「ありがとう!!!堕威くんって優しいな!!」

「何やねん・・・キモいなぁ・・・」





ちょっと退き気味の堕威くん。

でも良かった!!

これで心置きなく・・・・・・・・・・試せる。


































仕事が長引き夜中に帰宅した俺は、が寝てる事を確認してから例のものをテーブルに広げた。



このスカート・・・かなり短いんとちゃうか?

そう思って自分にあてがってみる。

うっわ・・・やっぱ物凄い短いわ・・・こんなん誰が着んねんって話やよな。

作った人・・・かなりエロいんかな。

な〜んて思いながら、これを着てるを思い浮かべたりしてみた。

そんな俺もエロいやんけ・・・と自分に突っ込み苦笑い。





さて・・・明日はオフやし、思う存分楽しまなアカンから寝ようっと!


寝室へ行き、俺等のベッドの横でみゆとゆゆが可愛い寝息を立ててる。

二匹の鼻の頭をツンと突付いて俺もベッドに入る。

俺の隣には・・・こっちも可愛い寝顔でスースー寝とる。

の髪を一撫でして眠りに就いた。





































翌朝。

って、もう昼前やけど・・・のキャッキャはしゃぐ声で目が覚めた。

何をそんなにはしゃいでるんかと目を擦りながらリビングへ行ってみると・・・!!





「おはよー!!心夜!!ねぇ、見て!見て!可愛いでしょ!?」

と、みゆとゆゆを指差して言う。

そこにはサンタの帽子を被った俺の愛犬達が・・・!!

「何してんねん??・・・また無理矢理被らせたんやろ?可哀想に・・・」

俺が帽子を取ろうとしたら

「ダメー!!!取っちゃダメー!!!」

必死に阻止する

「何でやねんな・・・可哀想やないか」

「今日はクリスマスだよ!?みゆもゆゆもサンタさんになりたいんだもんねぇー!?」

また訳の分からん事言うてるわ・・・。

「はぁ〜・・・」

俺が一つ大きな溜め息をつくと

「し〜んや!!」

「何やねんな・・・」

嫌な予感はするもののの笑顔には反応してしまう・・・自分で言うのも何やけど・・・かなり惚れてるな。



「心夜も被ってv」

どこで調達して来たんか知らんけど・・・少し大きめのサンタ帽を俺の目の前に差し出す。

「何で俺まで・・・・・」





あ!せや!!

これでえぇ口実が出来たわ!!





そう思った俺は早速口に出してみる。

「ほな、交換条件出してえぇか?」

「へっ!?何!?」

「俺、サンタ帽被るから・・・・・・・・・お前は・・・これ着て!!」

そう言うて例の・・・堕威くんから貰って来たミニスカサンタ衣装を出した。

「な・・・何!?これ!?こんなのどっから持って来たの!?まさか・・・そういう所で買った・・・」

「そんな訳ないやろ!昨日仕事場で見つけてん。で、お前やったら似合うんちゃうかなぁと思って」

「へぇ〜そうなんだ〜?心夜にもこういう趣味あったんだね?」

ニヤッと笑う

あぁ・・・やめてくれ・・・昨日の堕威くんを思い出してまう・・・。



くらくらと眩暈しそうになった俺に

「いいよ!心夜がそこまで言うなら着てみる!」

「ほんまか!?」

もっと嫌がると思ってたんやけど・・・やっぱ俺の言う事は素直に聞いてくれるんやな。

可愛いヤツめ!!



そんな事を思いながらニヤニヤしてたら

「じゃ、ちょっと待ってて!着替えて来るから!その間に心夜もちゃんと帽子被っててよ!?」

はサンタ帽を俺に無理矢理押し付け、寝室へと消えて行った。





しゃ〜ないな。

も俺の条件飲んでくれたんやから俺も言う事聞いたらなな。

鏡の前で帽子を頭に乗せる。

ふ〜ん・・・結構ぬくいんやな。この帽子。

ほんでこの白いフワフワがえぇやん!!俺フワフワには目が無いから!

かなり気に入ったで!うん!

ひとしきり鏡の前でニヤニヤしてた俺に・・・



「お待たせ・・・こんな感じでどう・・・かな?」

の声が聞こえ、振り返る。





・・・めさくそ可愛い!!!!!

やっぱスカート短っ!!ギリギリやん!!こんなん誰にも見せられへんわ!!

俺だけの・・・特権vv





「似合ってるで!!!!」

「ほんと・・・に?」

「ほんまやって!!惚れ直したわ!!」

「それ、どういう意味!?」

「いや・・・変な意味やなくてやな・・・怒んなや。可愛い顔が台無しやで?」

「・・・・・・・・心夜ってば・・・」

言いながら頬を赤らめ俯く

スカートの裾をギュッと握って・・・!!

そんな仕草されたら・・・いくら俺でも限界があるってもんで・・・ヤバい・・・!!!!!





「なぁ・・・・・・」

の傍に行き、我慢の限界って事を伝えようとしたら・・・

「心夜もちゃんと被ってくれたんだね!似合ってるよ!心夜サンタさんvv」

赤らめたままの顔で俺を見上げる



ほんまにアカン!!!限界やっ!!!



・・・」

耳元で囁き、ソファにそっと寝かせる。

「えっ・・・!?心夜!?」

「もうアカンねん・・・限界やねん・・・なぁ、このまま・・・えぇやろ?」

「・・・・・・・う・・・うん・・・」





の返事を合図に俺は久々に野獣と化す。





まずは優しくキスをして・・・首筋へと舌を這わせる。

の口から漏れる甘い吐息に全身が痺れそうになる。















































薫「いつの間にそんなもん用意しててん?」

堕「何がや?」

薫「その鍵やんけ。心夜の家の合鍵やろ?」

堕「まぁまぁそれはどうでもえぇやん!」

敏「もう・・・珍しくクリスマスがオフだってのに呼び出さないでよ・・・堕威くん」

堕「敏弥もどうせ一人で、くだらんゲームしてたんやろ?呼び出されて嬉しかったくせに」

敏「何だよ!それ〜!!」

京「それよか、堕威くん・・・ほんまにおもろいもん見れるんやろうな?俺これから溜まってた映画見ようと思ってたのに」

堕「京く〜ん!そんな人を疑ったらアカンでぇ〜!俺を信用せぇって!」

京「そういう奴が一番信用出来ひんねん・・・」

敏「そうだよ!!京くんの言う通りだ!!」

堕「黙れ!!敏弥!!・・・・・・・・ほな、鍵開けんでぇ〜??」



・・・・・・ガチャ・・・



堕「さ!皆入れ!」

京「堕威くん・・・声デカない?」

堕「これでも抑えてる方やで?」

薫「もっと抑えろ。バレる!」

敏「ってか、静かだね?出掛けてるんじゃないの?」

堕「おい・・・敏弥・・・今日、何の日か知ってるか?」

敏「だからクリスマスだっての!!」

薫「敏弥も!声張るな!」

京「シーッ・・・!」

堕「そうや、クリスマスや。心夜が苦手なんは何や?」

敏「えぇ〜・・・堕威くん??」

堕「ちゃうわ!!アホ!!」

敏「ってぇ〜!叩かなくてもいいじゃん・・・」

京「・・・人ごみ・・・か?」

堕「そう!京くん正解!だから絶対家におるって!」



薫「あ・・・!見てみー!!ほら!あれ!!」

京「興奮しすぎやで・・・ほんま30過ぎたらオヤジモード満開やな。堕威くんも薫くんも・・・」

薫「黙れや!!」

堕「おおお!?すっげー!!・・・・・・・とにかく突入や!!」

敏「OK!!」










「こらっ!!心夜ーー!!!お前早速に着せて昼間っから何しとんじゃーー!!!」

「えっ!?だ・・・堕威くん!?皆も!?何でおんねん!?!?」



びっくりした・・・ほんま、こんなにびっくりしたん生まれて初めてや・・・!!!



「何でここに俺等がおるか・・・そんな事はどうでもえぇ!

 昨日、俺にそのサンタ衣装くれって言うたんは、そういう事かぁ!!お前も男やのぉ〜」



ニヤニヤしてる堕威くんを筆頭に他メンバーも同じ表情しやがって・・・!!!





心「うるさいわっ!!不法侵入で訴えるぞ!!!」

堕「心夜くん激怒ですよ〜!おお・・・怖っ!」

薫「って、心夜もサンタの帽子なんか被って・・・なりきりプレイか?」

心「ニヤニヤすんな!!プライベートぐらい、ほっといてくれや・・・!!ってか、マジで何で入って来れてん??」

堕「あぁ・・・に誘われててん!他のメンバーも誘って遊びに来てって」

京「マジ!?」

心「ほんまなんか!?!?」

「そうだ・・・忘れてた・・・心夜のサンタ帽被らせた姿を皆にも見せたくて・・・堕威くんにだけ内緒で連絡したんだった・・・」

薫「ふ〜ん・・・俺等にも内緒やったって事か・・・ほんでさっきから俺等の質問流して、あやふやにしてたんやな?堕威?」

堕「ハハハ・・・」

敏「でも、それ以上にオイシイもの見れたから得しちゃったvv」



また、あの・・・いやらしい目で・・・今度はを凝視してる敏弥!!



京「こっちにも狼がおるで・・・早よ、服の乱れ直しや・・・・・・」

あああ・・・ありがとう京くん!!!



!早よ、こっちで着替えろ!」

俺はを引っ張り、寝室へと連れて行く。





寝室に入るなり

「ごめんね・・・心夜・・・勝手にメンバー呼んだりして・・・」

「えぇよ。でもさっきは正直惜しかったな・・・」

「ほんとごめんなさい!さっきの続きは皆が帰った後に・・・ね?」

そう言うて甘いキスをくれた。

キスで浮かれてまう俺も・・・やっぱ男なんやなぁ・・・と、実感したクリスマスの夜。












それから結局、皆でクリスマスパーティーをする事になり・・・。

俺はまたサンタの帽子を無理矢理被らされ・・・その上、が着てた例のミニスカサンタ衣装まで着せられ・・・。

踏んだり蹴ったりや・・・。





でも、が楽しんでくれてるだけえぇか!!

来年のクリスマスは二人っきりで楽しもうな?









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七「はぁ〜い!七夜でぇす!!」
心「ウザいな・・・お前・・・」
七「そんなハッキリ言わんとってや!(泣)」
心「久々に俺夢書いてくれたと思ったら・・・ギャグか!?夢要素も中途半端やし・・・どこが甘々ハッピーエンドなん!?」
七「えぇー!甘いですやぁん!!微エロもちょこっと入ってて!」
心「微妙すぎるわ!!(怒)」
七「心夜さんのキャラ崩し計画は着実に進んでますよ!!」
心「誰に言うとんねん・・・(呆)こんなん俺は認めへんぞ!!ってか、あの・・・謎が一つ解けてへんのやけど?」
七「何?」
心「堕威くん・・・何で俺の家の合鍵持って・・・」
七「さぁて!撤収!!!」
心「おい!逃げんな!!(怒)」