【天邪鬼】










日曜日。





今日は・・・

獄寺と私のロマンスの始まりの日vv

付き合い始めて一年目の記念日なのです。



プレゼントもちゃぁんと用意したし!

獄寺・・・喜んでくれるかなぁ・・・・ちょっと心配。











+++++++





獄寺ン家のドアの前。

連絡もせず、いきなり来たけど・・・居るかなぁ・・・・・

たぶん、居るよね!

今日はツナくんの所も家族でお出掛けって言ってたし。







ピンポーン♪

チャイムを鳴らす。





数秒後・・・

あれ?居ないのかな??

もう、一回・・・

ピンポーン♪




おかしい・・・

もうっ!!

ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポ〜ン♪♪

ムカつくから連打してやった!!












ガチャ・・・・・

静かにドアが開く。

と、そこには怪訝そうな表情の獄寺が・・・

「やっぱりお前か・・・」

と、呟いた。



「やっぱりって、何よ!」

「あんな鳴らし方すんの、しか居ねぇだろ・・・」

「獄寺が早く開けてくれないからでしょ!!」

「・・・で?何だよ?」

「・・・な、何って・・・・・・・・ひ、暇だったから・・・・来たの!!」





あぁ・・・私ってバカ!

何で、こんな訳の分からない言い訳してんの!?

二人の記念日を祝いに・・・って、何で素直に言えないかな!!






「暇・・・?今、お前・・・暇って言った・・・よな?」

「そうだよ!獄寺は私の暇つぶしなの!」




あぁ・・・まただ・・・・・

思ってもない事ばっかり口から出てくる。




「俺ぁ、忙しいんだよ!と違ってな!!」

と、獄寺はドアを閉めようと・・・!!



ガンッ!!



私は素早く、閉まるドアの隙間に足を入れた。

「っな・・・何してんだよ?・・・」

「せっかく私が、わざわざ来てやったってのに!入れてよ!」

「んだぁ!?その言い方ぁ!?ケンカ売ってんのか!?・・・・・・つか、俺お前の事呼んでねぇし!じゃ・・・」

と、またドアを閉めようと・・・



今度は隙間に手も入れ、こじ開ける。

・・・・それ何かのセールス・・・か?」

「っ!!・・・そんな突っ込みいらないよ!とにかく早く入れてよっ!!」



「・・・っとに・・・・強引な女だな・・・」

獄寺はしぶしぶ私を中に入れてくれた。










「・・・もっと早く入れてよね!近所の人に不審者扱いされたら、獄寺のせいだからね!」

「何で、俺のせいになんだよ!?が勝手に来たんだろが!」


・・・・・・・っ!!

もう・・・あぁ言えば、こう言う!!



「獄寺!いつもいつも何でそんなに反抗的なの!?もっと素直になれば!?」

にだけは言われたくねぇんだけど?今の言葉、そのまま返すぜ」

ニヤッと悪童満開の表情を私に向ける。




くっ・・・・・・悔しい!!



私・・・何で、こんなヤツ好きになっちゃったんだろ・・・?

ってか、獄寺は私と付き合ってるって自覚あるのかな??

ほんとに私の事好きなのかなぁ・・・・??



不安になってきた・・・

かと言って、獄寺の本心を聞くのも・・・・・実際、怖い・・・



先に告白して来たのは獄寺だったけど・・・・

私に対しての・・・この扱いって・・・どうなの??



あ゛ぁぁぁぁぁ〜〜!!!!

イライラしてきた!!!







「・・・・!・・・!!」

「えっ?何??」

「『何?』じゃねぇだろ?ビビが嫌がってんだろが・・・」

獄寺の言葉に私は目線を自分の膝へ・・・

ビビ・・・昔、獄寺と一緒に拾った子猫・・・ビビが・・・

綺麗に梳かされていた、ビビの毛が・・・クチャクチャになっていた・・・・。



そう・・・私がソファに座ると、ビビが膝に乗って来て、ビビの背中を撫でながら、獄寺との事色々考えてて・・・

イライラしてきて・・・ビビがクチャクチャ・・・



私・・・??



と、ビビを見ながら首を傾げると

・・・あんまりじゃねぇか?いきなり押し掛けて来て、ビビをクチャクチャにして・・・」

獄寺は私からビビを取り上げ

「・・・で?何しに来たんだよ??」







!!!!!

私の怒りは頂点に・・・!!

「・・もぉっ!いいよ!!獄寺なんか嫌いだぁぁぁぁぁーー!!!!!!!」

私は、バタバタと玄関へ走った。



ドカッ!!!

ガラガラガラッ!!ドンッ!!!



「!!っ痛っっっっったぁぁぁああ〜〜〜!!何よコレ!!邪魔だよぉぉぉ!!!!」

ガンッ!!

私は自分に危害を加えた憎っくき傘立てを蹴り、獄寺の部屋を後にした。
















+++++++






あ〜ぁ・・・・、勝手に怒って出て行っちまったけど・・・ほんと何しに来たんだ??

俺はじゃれつく、ビビをリビングに残し玄関へ・・・



と、そこには・・・・

散乱した傘達と・・・・・綺麗にラッピングされた包みが無造作に置かれていた。

俺は・・・一歩・・・二歩・・・と・・・・・後ずさり・・・・・



何だ??コレは・・・??



俺が自分で置いたんじゃない事は確かだ・・・・・・・

だとすると・・・・敵か!?

どこだ!?

一瞬辺りを見渡す。

でも最近この家に出入りしたのはしか居ねぇしな・・・。




コレ・・・開けたら・・・爆発するとか・・・?

まさかな!

俺じゃあるまいし。

ククク・・・と小さく笑ってみる。



いやっ!!待て!!

もしかしたら触れただけで・・・俺はこの世から消えてしまう・・・とか・・・??



とりあえず、どう対処しようか考え、恐る恐る・・・例の包みを指で突付いてみる・・・・・

だ、大丈夫みたいだ・・・

次に、包みを耳に当ててみる・・・よし!時計の音もしねぇ!!

って事は爆発の危険性はないって事だ。



安心した俺は包みを開けた。









うわっ!!

コレ・・・・・俺が前に欲しいって言ってたベルトじゃねぇか。

と二人で買い物してた時に見つけた・・・・ちょっと細工すれば、ダイナマイトの常備も出来そうなベルト。

でもそん時は買えなかったんだよな。

それをあいつ・・・




と・・・

ヒラッ・・・と床に落ちた一枚の紙切れ・・・・

俺はソレを拾い上げ、目を通す・・・



“二人の一周年記念!おめでとう!これからもずっとずっと一緒に居てね・・・・・・・・隼人vv”





少し荒っぽさが感じられる、でもどこか女の子っぽさも残ったの文字・・・・

この一行に俺への想いが沢山込められている事を実感する。



が“隼人”って・・・

何度も俺が下の名前で呼べって言っても、恥ずかしいからって絶対呼ばなかったのに・・・。

だから一年経った今でも“獄寺”なんだ。

それを・・・とうとう呼んでくれたんだ!!

手紙でだけど・・・それでも、めちゃくちゃ嬉しいぜ!!!!!




暇つぶしなんて言うから、ほんとにそうだと思い込んでた・・・。

の事だ・・・素直に言うはずないよな・・・・

俺・・・全然、の事分かってなかったな・・・これじゃ恋人失格じゃねぇか・・・

・・・・・・さて・・・まだ、そんな遠くに行ってないだろ・・・

俺はを追いかけた。









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辺りをキョロキョロ見渡しながらを探す。

と・・・前方に、寂しそうに肩を落としながら歩いている、を発見した。

俺は静かに近付き後ろから抱き締める。

「!!・・・きゃっ!なっ・・・何!?」

小さな悲鳴を上げながら振り返る



「あ・・・はや・・・・・・・・・・獄寺!」

ん?

今、こいつ「隼人」って言いそうにならなかったか?

ま、いいか。これから強制的に呼ばせてやる!



・・・記念日と・・・・・・あのプレゼント、ありがとな・・・すっげぇ嬉しかったぜ」

俺はに礼を言って・・・

チュッ・・・・唇を重ねた。

「ご、獄寺!?いきなり何すんの!?!?」

「プレゼントの礼・・・だ」

「だ、誰かに見られたらどうすんの・・・」

顔を赤く染め、俯いたは小さな声で呟いた。

「じゃ、続きは家で・・・な?」

思いっきりニヤッと笑い、俺はを強制連行した。














・・・・・ありがとう・・・

いつもは素直に言えねぇ、こんな俺だけど・・・

これからも、どうぞよろしくお願いします。

隼人




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七「獄寺隼人強化プログラム第三弾!!」
獄「・・・・・・・・何だ?それ・・・」
七「え?獄寺くんの夢わんさか書くって事やん!」
獄「目ぇ血走ってっぞ・・・お前・・・」
七「だって興奮するやん!ハァハァ・・・」
獄「・・・・・・・・・」
七「たぁのしぃいなぁー!!!!!」
獄「やっべ・・・こいつ・・・(逃)」
七「・・・・・逃げんな!!ロケットボム!!!!!」
獄「ぐぁっ・・・・・・・何でお前が使えん・・・だ・・・!!!!(倒)」