どうしよう・・・大変な事になっちゃった。
どこで落としちゃったんだろ・・・。
私の大切な・・・大切な・・・。
【Palliare】
「どうしたの??」
「あ・・・ルッスーリア」
私がベルの部屋の前でウロウロしていると、ルッスーリアが声をかけて来た。
「ベルちゃんだったら、ちょっと急な任務で出てるわよ。中で待ってなさいよ」
そう言ってドアノブに手をかけた。
「や・・・いいよ!勝手に入ると怒られるし・・・」
「ちょっ・・・!?」
ルッスーリアの好意を断り、その場を後にする。
あ〜あ・・・ルッスーリアには悪い事しちゃったな。
でも・・・でも、今ベルには会えない。
でも、ほんと・・・どうしよう。
ベルに気付かれる前に何とかしないと。
そんな事を考えながら廊下を歩いていたら・・・
ドンッ!
曲がり角で誰かとぶつかった。
「あ・・・ごめんなさい!大丈夫・・・・・・・」
倒れた人影に声をかけると
「?」
「ベル・・・」
そう・・・私がぶつかったのは、今一番会いたくない相手・・・ベルだった。
「何してんの?こんなとこで・・・」
「ううん・・・何も・・・」
「俺の部屋の方から来たよね?」
「・・・・・・・・・・・」
「勝手に入るなって、いつも言ってんじゃん?」
冷たい視線で私を見下ろす。
「・・・・・・入っては・・・ないよ」
怖くてベルの顔を見れなくて・・・俯いたまま言い残し、外に飛び出した。
歩きながら、もう一度自分の記憶を辿る。
でも、こういう時に限って何も思い出せない。
無理しても仕方ないと思い、私は夕飯の買い物をする事にした。
買い物を済ませ、ルッスーリアと二人で夕飯の準備。
「ねぇ、・・・今日のあなたどこか変よ?やっぱり何かあったんでしょ?」
「え!?・・・・・・・・・・・なななな・・・何もないよ!!」
「その慌てよう・・・何もないわけないでしょ?私で良かったら聞くわよ?」
「・・・・・・・・っ・・・・ルッス・・・リア」
そして私は今抱えている問題をルッスーリアに話した。
「そうだったの・・・でも大丈夫よ!ベルちゃんはあぁ見えての事大切に思ってんだから。怒ったりしないわよ」
「そうかなぁ・・・・・・・でも、さっきも機嫌悪かったみたいで凄く怖かった・・・」
「何ごとも正直に話すのが一番なの。そうやってお互いを理解し合っていくのよ。恋人同士ってのは」
「ルッスーリア・・・」
それから・・・ボス、スクアーロ、レヴィ、マーモン、モスカと・・・・・・ベルが揃い、夕飯を食べた。
ベルは私の向かい側で、一度もこっちを見ようとせず、早々に食事を済ませ席を立った。
ベルが何か行動に移す度にビクビクしてた私に、ルッスーリアが「行きなさい!」と目で合図してきた。
意を決した私は「うん」と頷き、ベルの後を追う。
コンコン・・・・
「あの・・・ベル・・・・・・・入っても・・・いいかな?」
「・・・・・・・・・・」
どうしよう・・・やっぱ機嫌悪いよ・・・。
ルッスーリアは大丈夫だって言ってくれたけど、やっぱ・・・怖い。
私は踵を返し、この場を立ち去ろうとした。
その瞬間、ガチャ・・・
「・・・・・入れば?」
ベルが顔を出した。
「!?」
「さっきから、何そんなに怯えてんの?」
「ベル・・・・」
「いいから入れよ」
「あ・・・・・ちょ・・・・」
グッと手を掴まれ、強引に部屋に入れられた。
椅子に腰掛けた、ベルと私。
「ねぇ、今日のおかしくね?」
「えっ!?何でもない・・・よ」
「何もなくねぇだろ?」
「ううん。ほんとに何もな・・・」
最後まで言い終わらないうちに、ベルは私の手を自分の方へ引き寄せた。
ガタン・・・とテーブルが揺れる。
「正直に言えよ?」
真っ直ぐに見つめられ、私は目をそらす事が出来なかった。
「・・・・・」
「言ってみろって」
掴まれている手に一層力がこもる。
「っ・・・・・」
「さっきは冷たい態度とってごめん。任務が上手く進まなくてさ。八つ当たりしちゃった。の変化にも気付いてやれなくて・・・」
「ベル・・・」
「なぁ!言いたい事があるなら言ってよ。それとも言えない程、俺って頼りない?」
「・・・・・・ううん!そんな事ない!」
「じゃあ、何があったのか言ってくれるよね?」
そう言うと、優しい表情になったベル。
この表情に私は心底弱い。
そしてこの表情を向けてくれるのは私と二人きりの時だけ。
それがまた、たまらなく嬉しい。
「・・・失くしちゃったの」
「何を?」
「こないだ・・・ベルが買ってくれた、お揃いの指輪・・・」
「なんだ。そんな事か」
そう言ってベルは私の手を離し、椅子に思いっきり凭れ込んだ。
「ベル・・・“そんな事”って・・・初めてベルが買ってくれた指輪なんだよ?それを失くしちゃったんだよ?」
私が涙声で言うと
「また買えばいいじゃん。それとももう一緒に買いに行けない理由でもある?俺の傍から居なくなっちゃうとか?」
「そんな!私はこれからもずっとベルと一緒に居るよ!!何があっても離れないよ!!」
「じゃあ、いいじゃん。ひさしぶりにデートしよっか」
「ほんと!?」
「うん、ほんと!王子はウソつかないよ」
「嬉しい!!ありがとう!!ベル!!」
私はベルに思いっきり抱き付いた。
「げんきんなヤツ。俺を誰だと思ってんの?」
そう言ってベルは私の頬に軽くキスしてくれた。
明日は大好きなベルとのデート。
気持ちが昂って、今夜は眠れそうにないな。
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七「初ベル夢・・・中途半端な感じやなぁ・・・」
ベ「そう思うなら書き直せば?納得のいくまで永遠に・・・(ニヤッ)」
七「なっ・・・・鬼畜満開やな。ベルさん」
ベ「当たり前じゃん。あぁ〜誰か切り刻みに行きたいなぁ〜」
七「お供しまっす!!!!(キラリン)」
ベ「足手まといにならないでよ」
七「了解っス!!(大興奮)」