【segretamente】
あ・・・メールだ。
「ちょっと失礼します。10代目」
10代目に声をかけた後、携帯に目を向けながら席を外す。
送信者は。
俺の大切な大切な彼女だ。
メールの内容は、『今日の放課後どうする?』との事。
俺は、廊下に出て窓にもたれながら返事を打つ。
「今日は山本の家で宿題やるらしいんだ。だから一緒に居れねぇ・・・」
『え!?隼人も!?私もさっきリボーンくんに誘われたよ?』
「マジで!?じゃ、一緒に居れるじゃねぇか。良かった」
『うん、でも気付かれないようにしないとね』
「・・・・・だな」
一通りのやり取りを終え、俺は皆の居る所へ戻る。
「すいません。10代目」
「いいよ。獄寺くん。もうメールはいいの?」
「はい」
そう言って俺は、10代目の隣にリボーンさんを抱いて座っているをチラッと見た。
ニコッと微笑む。
そう・・・・・はすぐ近くに居る。
でも付き合ってる事は誰にも言ってない。
何となく言い出すタイミングがなくて。
それでも今まで通り、皆で遊んだりしてるから何の問題もねぇんだけど。
+++++++
放課後。
俺は一足先に10代目を迎えに行き、山本の家へ向かう。
ほんとはも迎えに行ってやりてぇんだけどな・・・。
ま、笹川と来るらしいから大丈夫だよな。
「10代目ぇー!!お迎えに上がりました!」
「ありがと。獄寺くん。じゃ、行こっか」
「はい!」
「ねぇ、獄寺くん」
「なんスか?」
「今日すっごい機嫌良いよね?」
「え・・・そっスか?変わらないですよ」
「そうかなぁ・・・だってその服装も・・・・・・いつもより気合い入ってない?」
「!!・・・・・・・・・・や・・・・いつもと・・・同じです・・・」
「そうかなぁ・・・?」
さすが10代目・・・。
俺の変化に気付いてらっしゃる。
今は何とか誤魔化せたけど、この後は慎重に行動しないとな。
山本ん家。
中に入ると、と笹川は既に来ていて・・・・・・
って・・・・・・!!
何だ!?その格好は・・・!?
めちゃくちゃ可愛いじゃねぇかぁぁぁぁああーー!!!!!!!!!!!!!!
実は俺達、私服で会うのは初めてで。
だから俺もいつもより気合いの入った格好して来たわけで。
しばらく見惚れてると・・・
「どしたの?獄寺くん?固まってるよ?」
言いながら10代目が、俺の目の前で手をヒラヒラさせる。
「あ・・・いや・・・何でもないっス」
「大丈夫?」
「はいっ!!!!」
「・・・・・声裏返ってるよ・・・獄寺くん・・・」
10代目と山本に宿題教えてる間も・・・
いつも以上に短いスカートから出てる白い足が気になったり・・・
これも初めて見る、アップにした髪・・・の下から見える、うなじに見惚れたり・・・
平静を装うのに必死だった。
「皆、腹減っただろ!晩メシだ!」
山本の親父さんが皆に声をかける。
そか・・・もうこんな時間なんだ。
時計を見ると19:00少し前。
皆それぞれ教科書やらノートを閉じ、リラックスムード。
俺はトイレに行く為、席を立つ。
と・・・戻って来た時には皆、所定の位置に座ってて・・・
俺は10代目のお隣に座ろうと目をやると既に先客・・・笹川が・・・。
仕方ねぇ・・・
空いてる所を探すと、誰も居ない所にメシが置かれていた。
そこが俺の席って事だよな・・・と、その隣を見ると・・・・・・・
!!
隣かよ!?
やべぇ・・・今更だけど、めちゃくちゃ緊張してきた。
何とか、いつも通りの態度での隣に腰を下ろす。
はちょっと頬を赤らめ、チラッと俺の方を見た。
おいおいおいおい・・・そんな顔で見んなよ!!
余計緊張するじゃねぇか!!
メシ食ってる間も気が気じゃない俺・・・。
「獄寺!お前、今日変だぞ!?」
カウンターに座っていた山本がこっちに来て、俺の背中を思いっきり叩いた。
「ってぇなー!!何すんだ!」
「いつもより大人しいような気がすんだけど?」
「んな事ねぇよ!いつもと一緒だ!」
「そうかぁ・・・?」
そう言いながらカウンターに戻り、リボーンさんと談笑している。
一瞬ニヤッと笑ったように・・・見えた。
「ほんと今日の獄寺くんおかしいよ?大丈夫?」
向かい側に居る10代目も気遣ってくれている。
「だ・・・大丈夫ですよ。どっちかってぇとテンションは上がりまくりですし!」
「ほんとにぃ?」
「ほんとですって!」
俺がこれだけ緊張してるってのに、のヤツ・・・
俺の事なんか気にもとめず、笹川と楽しそうに話してやがる。
何か、ムカつくなぁ・・・・・・・・。
そう思った俺は・・・静かにそっとテーブルの下での手を握った。
一瞬ビクッと肩を震わせ、俺を見た。
勝ち誇ったような笑みを見せ、から目をそらす俺。
+++++++
その夜、から『ありがとう』と一言だけのメールが届いた。
その意味が分からなかった俺はすぐに返信すると、
『手・・・握ってくれて嬉しかった。隼人からあんな事・・・初めてだったから、ほんと嬉しかった』
ここまで喜んでくれてたなんて・・・
思い切った事して良かった。
+++++++
翌日。
いつものように10代目を迎えに行き、学校へ。
途中、野球バカも合流しやがったが・・・。
そのまま学校へ向かっていると、珍しくリボーンさんが俺の肩に乗っかって来た。
「獄寺、大胆だな。お前」
「はいっ!?何ですか!?リボーンさん!急に!?」
「昨日・・・見たぞ」
「な・・・何をですか!?」
「山本ん家で、お前・・・の手ぇ握ってただろ」
「ぎゃっ・・・」
「あ!それ俺も見たー!!」
「や・・・山本も!?」
最悪だ・・・ぜってぇバレてねぇと思ってたのに・・・。
「ねぇ、いつになったら発表してくれるの?獄寺くん?」
「なっ何をですか!?10代目!?」
「と付き合ってる事・・・」
「んな゛っ・・・・・・・・なぜそれを・・・・・・・!!!!」
「皆、かなり前から知ってるよ・・・」
「ぎゃふっ・・・・・・・・・・!!!!!」
---------------------------------------------------
七「大胆だな、獄寺」
獄「リボーンさんの真似してんじゃねぇ!!」
七「手握るのを思い切った行動って・・・奥手よね、隼人くん(ニヤッ)」
獄「っせーな!お前には関係ねぇだろ!」
ツ「でもさ、俺にまでと付き合ってる事秘密にして悲しいよ・・・」
獄「10代目!?」
ツ「俺って獄寺くんにとって・・・何なんだろ?(凹)」
獄「や・・・それは・・・10代目ぇ・・・・・・(汗)」
七「ハンッ!困れ!困れ!もっと困れ!獄寺め!ガハハハハ」
獄「てめぇは黙ってろ!!!!」
ツ「七夜ぁー!俺って獄寺くんの何なのぉー!?(泣)」
七「可哀想に・・・ツナくん・・・よしよし(ニヤッ)」
獄「っ・・・・・・・・・・・!!!!(悔)」